市民活動団体がインターネットを使ってPRするならホームページとSNSのどちらがベスト?

デジタル広報支援

市民活動団体の方より、これからインターネットを使って活動をPRするなら、ホームページを開設するのがいいか?またSNSであればどのメディアが良いかというご質問をよくいただきます。

結論から言うと、両方を組み合わせるのが最も効果的なのですが、それぞれに役割とメリットがあります。

そこで今回の記事では、ホームページとSNSの役割やメリットについてみていきます。

1. ホームページ(HP) vs. SNS


ホームページ (HP) SNS (例: Facebook, X, Instagram)

団体の基本情報、信頼性、詳細情報の発信拠点となります。インターネット上の「パンフレット」や「本社」のような位置づけです。 日常の活動、最新情報、手軽な情報発信、ユーザーとのコミュニケーション



・団体の理念、沿革、事業内容などの詳細を体系的に掲載できる。
・信頼性が高まります。
団体の情報が資産として蓄積される。
・検索エンジン経由での集客も期待できる。
手軽に、タイムリーに情報発信できる。
・ユーザーからの反応を得やすく、コミュニケーションが取りやすくなる。
拡散力があり、潜在的な支援者や参加者に情報が届きやすい。
費用をかけずに始めやすい。

メリット
・開設・維持に手間や費用がかかる場合がある。
・情報発信が一方的になりがち。
・すぐに広範囲への拡散は難しい。
・情報が流れやすく、古い情報が埋もれがち。
炎上リスクなど、運用上の注意が必要。 ・団体の詳細な基本情報を伝えるのには不向き。

【推奨される活用法】

  • ホームページを「情報の本拠地」として、団体の基本的な理念や活動内容、お問い合わせ先などを充実させる。
  • SNSを「情報発信の入り口・集客ツール」として、日常の活動の様子やイベント告知などのタイムリーな情報を発信し、詳細情報はHPへ誘導する。

活動が活発な団体ほど、HPとSNSの両方を活用している傾向が見られます。人員や費用をあまりかけられない場合は、まずはSNSから始めて、団体の成長に合わせてHPの開設を検討するのも一つの手と言えます。

2. SNSであればどのメディアが良いか

どのSNSを選ぶかは、「誰に(ターゲット)」向けて「何を」伝えたいかによって変わります。

SNSメディア 特徴 向いている団体・情報
Facebook ・実名利用が多く、信頼性が高い。
30代以上の層に利用者が多い。
・長文や写真、動画など幅広い形式に対応。
地域社会との連携、イベント告知詳細な活動報告
・特に年配の支援者や地域住民とのつながりを重視する場合。
Instagram 写真や動画がメインの視覚的なメディア。
・若年層(10〜30代)に強い。
・活動の楽しさや雰囲気を伝えるのに最適。
・ボランティア活動の現場の様子、成果物など視覚に訴える活動。
X (旧 Twitter) ・短い文章(140字以内)での情報発信が基本。
・拡散力が非常に高い。
・若年層に人気。
・速報性が求められる情報(緊急の呼びかけ、イベント直前の情報など)。
・広い層に手軽に情報を拡散したい場合。
LINE ・メッセージアプリとしての機能がメイン。
・国内最大級の利用者数。
・イベント参加者や会員への個別・グループ連絡。
・特定の層(例:子育て世代)へのきめ細やかな情報提供。

【選び方のヒント】

  1. ターゲット層の確認: あなたの団体の活動の参加者や支援者に多い年齢層はどのあたりにありそうですか? 若者向けならInstagramやX、地域住民向けならFacebookやLINEなどの組み合わせがおすすめです。
  2. 発信したい情報の形式: 写真や動画で魅力を伝えたい活動か?(Instagram)、長文で丁寧に伝えたいか?(Facebook)、とにかく早く広めたいか?(X)などSNSによって、強みを生かした情報発信が重要です。

まずは、ターゲット層が最も利用しているSNSを一つ選び、継続して質の高い情報を発信することから始めるのがおすすめです。