LTという言葉をご存じですか?
マラソンで最も重要な値と言われているのが「LT」と言われるものなのですが、いまいちなんの事なのかわからない・・・という市民ランナーの方はかなり多くいらっしゃいます。
LTはフルマラソンのように、30分以上の長時間、それなりにきついペースを維持して走るうえで最も重要な数値と言われており、マラソンレースでのタイムアップを目指すなら、このLTについて詳しく知っておいて絶対に損はありません。
そこで今回の記事では、LTについて詳しく見ていきたいと思います。
LTとは
LTとはLactate Thresholdの略語で、「乳酸性作業閾値」=閾値(いきち)とも言われており、マラソンなどの時給系の運動で最も重要な数値と言われています。
ランニングではペースを上げていくと、徐々に乳酸が体内に生成されていきますが、一方で乳酸は筋肉、心臓、肝臓、腎臓などのエネルギーとしても活用されるため、ある程度余裕あるペースで走っている段階では、それほど筋肉内や血中に乳酸は蓄積されません。
ただある程度運動負荷(=ペース)を上げると、乳酸がエネルギーとして消費される以上に、筋肉内や血中で乳酸が生成されるようになり、乳酸の消費速度が追い付かなくなってしまい、一気に体内の乳酸濃度が高まってしまいます。
この急激に乳酸濃度が高まる境となる運動強度(=ペース)の事を「LT」と呼びます。
パフォーマンス低下の理由は乳酸ではなく・・・
乳酸自体は身体に悪さをしませんが、乳酸の生成に伴って生じる水素イオンが、エネルギーを造るために必要な酵素の活性を邪魔してしまい、このことがマラソンでの失速の最大要因になります。
また水素イオンは、カルシウムの取り込みも邪魔する事があり、筋肉の収縮の低下にもつながり、エネルギーをスムーズに産生できなくなるため、水素イオンが体内に蓄積されてしまうと。ペースを落とさざるを得なくなってしまいます。
つまり、いかにこの水素イオンを蓄積させないか、体内の乳酸濃度を上げすぎないか=「LTを高める」事が、マラソンレースでのパフォーマンスに直結する事になります。
LTを高める練習方法は?
LTは一般的なランナーで最大酸素摂取量の約75%~80%に相当し、日々鍛え上げているランナーだと80%超え、そしてエリートランナーだと90%近くになり、このLTが高いほど、体内に乳酸が蓄積されないうちに、最大酸素摂取量の大部分を活用する事ができるようになります。
このLTを高めるために重要なのが、LTに近いペースで、できれば40分以上の時間走る練習を取り入れていく事。
このLTに近いペースで走る練習の代表格と言えるのが、きついけど40分くらいの時間までなら走れるペースを一定に保ちながら走り続けるペース走。
また1㎞や2㎞などの距離をペース走と同様のペースで走るのと、200~400mのジョギングなどの休息を交互に繰り返すクルーズインターバルも、ペース走と同様の効果が期待できると言われています。
ペース走は一人で実施するにはかなりきつい・・・という方は、市民ランナーには非常に多く、そういう方にはクルーズインターバルの方が比較的取り入れやすいメニューと言えます。
いずれにせよLTを高めれば、今までの練習で培ったスタミナやスピードを最大限に生かせることは間違いないという事で、これから本気でマラソンレースでのタイムを延ばしていきたい!・・・という方は、ぜひLTを高めるべく、積極的にペース走やクルーズインターバルを取り入れてみてください!
投稿者プロフィール
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合同会社ランシス代表社員。
合同会社ランシスは「ランウォーク」×「ツーリズム」×「WEB」を通じて、三重を走る、歩くモチベーションを創っていきます。
またランニングコミュニティ「セカンドウィンド四日市」の運営や、三重県ウオーキング協会事務局長として広報等を担っています。
個人ブログ | セカンドウィンド四日市サイト | 三重県ウオーキング協会サイト
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