飛鳥寺|十一面観音の持つ黄金の花瓶をくわえた霊鳥が飛来した寺

飛鳥寺(ひちょうじ)について

正式名称は「雨尾山(あめおざん) 味光院 飛鳥寺(ひちょうじ)」というとおり、雨尾山の高台にあり木曽三川や名古屋市街、濃尾平野、木曾御嶽が眺められる絶好のロケーションにあります。

十一面観音の持つ黄金の花瓶をくわえた霊鳥が、大阪府と奈良県の境に横たわる生駒山から飛来した寺という事で、飛鳥寺の名前が付けられました。

雨止めの祈祷が行われたことで有名で、祈祷したところ雨がやみ、洪水を逃れた日にちなみ、8月10日に本尊の十一面観音立像がご開帳されます。

伊勢西国三十三所観音巡礼 第32番

三重県内にある観世音菩薩で構成された霊場で、お伊勢参りとともに多くの参拝者が訪れる由緒ある古巡礼です。

飛鳥寺(ひちょうじ)へのアクセス

養老鉄道・下深谷駅から歩いてすぐの、木曽三川の揖斐川を見下ろす桑名市下深谷の高台に建つお寺です。

住所:〒511-0808 三重県桑名市下深谷部2386


最寄り駅:養老鉄道・下深谷駅から700m

飛鳥寺を巡る旅ランウォーク

伊勢西国三十三所観音を走り歩こう(桑名編)

飛鳥寺の見どころ

雨止めのご利益があるとされる本尊・十一面観音立像

本堂に入ると、正面に黒漆(こくしつ)塗のどっしり大きな厨子の中に、本尊の十一面観音立像があります。

厨子の扉を開くと中には、右手を下げ、左手に水瓶を持ち、御衣には細かな模様がびっしり施され、金色の御身の1m80㎝の巨大な観音様がはいっており、以前祈祷したところ雨がやみ、洪水を逃れた日にちなんでの8月10日と、毎年4月の花祭りに開帳されます。

仏像に施される金箔技法のひとつ截金(きりかね・金箔をはり合わせて細く切ったものを、仏像がまとう衣類などに張り合わせていく古い技法)は、今では幻と言われる貴重な工芸品であるそうです。

高台にある境内からの景色は絶景

天気がいい日は、広々とした濃尾平野やその向こうに御嶽山も望める、抜群の景観を拝むことができます。

寺が廃され、仏像が壊されるという廃仏毀釈が吹き荒れた明治時代初めに、参詣に不便との理由よりこの高台に移されました。

歴代桑名藩主が参拝した由緒あるお寺

桑名藩主・松平定綱は目が悪かったそうですが、寺のカメの水で目を洗ったところ、快癒したため、以来歴代藩主が参拝したと言われています。

いろいろな苦難を経て現在の場所へ

創建は弘法大師ゆかりとされる古刹で、かつては寺領千石、十二坊の寺院の建築物が並ぶ真言密教の名刹だったようですが、1571年織田信長の兵火によって焼失し、揖斐川右岸にあったお城も、この時代にことごとく焼かれました。

江戸時代前期、桑名藩士の南條佐太衛門宗親(なんじょうさたえもんむなちか)が念事仏(ねんじぶつ)の地蔵像を安置する場所を探していたところ、飛鳥寺の観音像の首を見つけたため、そこに寺を再建したと言われています。

そして明治2年に参詣に不便という理由より、本堂および地蔵堂などw現在地に移転し、現在に至っています。

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