安渡寺|聖観音立像が有名な奈良時代前半創建の「星川の観音さん」

安渡寺について

奈良時代前半に開創され、平安時代には川湊や市場の賑わいの中にあったとされる星川山 安渡寺(ほしかわさん あんどじ)。

「星川の観音さん」と地元の人々から親しまれ、子安観音として安産祈願のお寺としても有名です。

本尊の聖観音菩薩立像は33年に一度の開帳が守られる秘仏で、桑名市指定有形文化財(彫刻)に指定されています。

伊勢西国三十三所観音巡礼 第30番

三重県内にある観世音菩薩で構成された霊場で、お伊勢参りとともに多くの参拝者が訪れる由緒ある古巡礼です。

安渡寺へのアクセス

星川という地は、鈴鹿山脈の最高峰、御池岳(おいけがたけ)を源に、いなべ市、東員町、桑名市を流れ下る員弁川の左岸にある星川の集落にある赤い手すりの付いた長い石段の上に本堂があります。

本堂にたどり着くと、眼下に集落と青々とした水田が広がり、遠くに鈴鹿の山々が連なっているのが望め、酷暑の夏でも風がよく通り、周囲に遮るものがないので、鈴鹿山脈からの風が勅にあたります。

寺のある丘はこのあたりの集落の風よけにもなっています。

住所:〒511-0912 三重県桑名市星川448−10


最寄り駅:三岐鉄道北勢線・星川駅から700m

安渡寺を巡る旅ランウォーク

伊勢西国三十三所観音を走り歩こう(桑名編)

安渡寺のみどころ

本尊・聖観音菩薩立像は桑名市指定文化財第一号

本尊の聖観音菩薩立像は33年に一度の開帳が守られる秘仏で、厨子の前には本尊を似せたお前立が安置されています。

星川に市場が開かれていたという平安時代作とされ、桑名市指定文化財の第一号になっています。

「お前立」の仏身は高さ1尺(約30㎝)ほどの小さな像で、ヒノキの一木造りで左手に蓮花を持ち、五指を伸ばした右手は、胸前で掌を外に向ける施無畏院(せむいいん)といって、人々に畏怖の心を取り除いて救う事を象徴するそうです。

1973年に再興された観音堂

鎌倉時代前期の文献には、すでに観音堂があったと伝えられています。

1973年に再建され、檀家はいませんが、地元の星川、中山町、森忠地区の信徒の寄付によってまかなわれました。

朱塗りの柱をはじめ、四季折々の花が描かれた格天井(ごうてんじょう)、内陣の天女の図などが見事です。

本尊のご開帳に建てられた卒塔婆

2015年に行われた本尊のご開帳に建てられた卒塔婆(そとば)で、強い風が福丘にあっても、傾くことも、ゆるぐこともないようです。

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