持久系運動に有利な筋肉をつくるために知っておきたい遅筋と速筋の違い

ランニングやウォーキングでは長い時間にわたって筋肉を動かし続ける必要がありますが、その筋肉は無数の細い筋繊維が束になったものであるという事はご存じですか?

その筋繊維には、大きく分けて「遅筋繊維」と「速筋繊維」、そのうち速筋は「タイプⅡa繊維」と「タイプⅡb繊維」に分けられており、その比率は遺伝によって決まっており、人によって大きく異なります。

この中でジョギングやウォーキングで有利と言われているのが遅筋繊維で、遅筋繊維の割合が高いほど、楽に長い時間走れる、歩ける確率が高くなります。

遅筋繊維とは

遅筋繊維はその名の通り、収縮が遅いものの、疲労に強く、持久力に優れていて、長時間の活動に適しています。

その理由としては遅筋繊維には、酸素を使って糖や脂肪からエネルギーを算出するミトコンドリアや、身体の隅々にエネルギーをいきわたらせる毛細血管の密度が高いといった、持久性の運動に有利な特性が多くあることにあります。

ちなみに遅筋はミオグロビン(酸素を貯蔵するたんぱく質)の量が多いため、赤みがかっているため「赤筋」とも呼ばれます。

この遅筋の比率は遺伝によって決まっているため、努力でその比率を変えることはできないと言われていましたが、ある調査ではジョギングやウォーキングを続けると、若干とはいえ遅筋繊維の割合が増えるという結果が出たようです。

速筋繊維とは

一方で速筋はその名の通り、収縮が速く、短時間で大きなパワーを発揮し、短時間の高強度な活動に適している一方、比較的早い段階で疲労してしまいます。

速筋は短時間の活動であまり酸素を必要とせず、無酸素でエネルギーを供給する点で、遅筋と大きな違いがあります。

遅筋にはタイプⅡa繊維とタイプⅡb繊維がありますが、そのうちタイプⅡa繊維は、ジョギングやウォーキングを続けていく事により、遅筋繊維に近い性能を備える可能性があります。

ちなみに速筋はミオグロビンの濃度が低く、白っぽい色をしているため「白筋」とも呼ばれています。

結局のところ継続が大切

一般的に長距離が得意な方は遅筋繊維の割合が高く、短距離が得意な方は速筋繊維の割合が高いと言われていますが、その割合は遺伝で決まっているため、割合を大きく変えることはできません。

ただジョギングもウォーキングなどの持久系運動を続けていれば、速筋のタイプⅡa繊維が遅筋のような性能を帯び、若干ながらも遅筋繊維の割合が増えてと、より楽に走れる歩ける筋肉を作ることは十分可能です。

また最近のマラソンのトップランナーの中には、速筋優位の選手も増えてきているという話もあるようなので、必要以上に遅筋繊維の比率を気にすることなく、とにかくジョギングやウォーキングを継続していく事で、より楽に走れる、歩ける身体づくりを目指していきましょう!

投稿者プロフィール

らんしす 多田夏彦
合同会社ランシス代表社員。
合同会社ランシスは「ランウォーク」×「ツーリズム」×「WEB」を通じて、三重を走る、歩くモチベーションを創っていきます。
またランニングコミュニティ「セカンドウィンド四日市」の運営や、三重県ウオーキング協会事務局長として広報等を担っています。

個人ブログ | セカンドウィンド四日市サイト | 三重県ウオーキング協会サイト

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