宝性寺|十一面観音菩薩像を安置している本堂が指定文化財のお寺

宝性寺について

龍王山宝性寺(りゅうおうざん ほうしょうじ)は聖武天皇が740年にこの地に訪れた際、休憩場所とした場所で、勅願(天皇の祈願、それに基づいて建立された寺社)によって建立されたと言われるお寺で、四日市市蒔田(まきた)の「まいたの観音さん」として親しまれています。

本尊に十一面観音菩薩像を安置している本堂が指定文化財になっているお寺で、伊勢神宮をゆかりとする神社も境内にあります。

本尊には拝むと足の様々な難を逃れるという信仰を持つ、爪も彫られた精緻な作りの御足(みあし)があります。

伊勢西国三十三所観音巡礼 第28番

三重県内にある観世音菩薩で構成された霊場で、お伊勢参りとともに多くの参拝者が訪れる由緒ある古巡礼です。

宝性寺へのアクセス

旧東海道沿いにあり、現在地から300mのところに「宝性寺」「堂前」という地名が残り、かつてはそうめんづくりが盛んで、今も製麺所が近くにあります。

住所:〒510-8022 三重県四日市市蒔田2丁目12−26


最寄り駅:近鉄富洲原駅から1.3㎞、富田駅から1.5㎞、JR富田駅から1.5㎞

宝性寺を巡る旅ランウォーク

伊勢西国三十三所観音を走り歩こう(四日市編)

宝性寺の見どころ

本尊・十一面観音立像は17年に一度の開帳の秘仏

本尊の十一面観音立像は数え17年に一度のご開帳の秘仏で、良弁(ろうべん)が彫ったと伝えられています。

良弁は奈良東大寺の初代別当(べっとう)を務め、二月堂の「お水取り」を始めた高僧ですが、この寺では滋賀の石山寺を開いた事績を優先し、石山寺の観音信仰をあやかっています。

本堂の隣にある、本尊の安置されていた集会所が1998年に焼失した際、奇跡的に観音様は残り、火災後に修復され、ピカピカの姿で地元の人々の前に姿を現したことより「奇跡の蒔田(まいた)観音様」と言われました。

本堂にある不思議な御足

江戸時代中期に本尊の御足が見当たらないので、信者が御足を仏師に造らせたところ、本尊の御足が戻っており、その夜、信者は夢告で御足は難病で両足を患う人に貸したが、病が治ったため、両足がもどったと本尊から教えられたそうです。

そのため新しい御足は不要となったが、これを拝むと足の様々な難を逃れるという新たな信仰を生みました。

小さな「御足」は爪も彫られた精緻な造りです。

伊勢神宮ゆかりの御厨神明神社

本堂の近くには伊勢神宮内宮に祀られる天照大御神を祭神とする、御厨神明(みくりやしんめい)神社も一緒に祀られています。

御厨とはかつて伊勢神宮に奉納する水田のことで、古くはこのあたりの水田から伊勢へ米が運ばれていました。

明治時代の神仏分離以前の、神社とお寺がともに境内に建つ神仏習合(しんぶつしゅうごう)の名残があります。

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