延喜式内社・伊勢国員辨郡十座に比定される由緒ある神社を走って巡ろう

員辨郡の延喜式内社を巡ろう

平安時代中期の927年に国によって編纂された延喜式神名帳(えんぎしき じんみょうちょう)に名前が掲載されている式内社は、今も地元の人々を中心に厚く信仰されている由緒ある神社がほとんどです。

三重県内で式内社としてその名が掲載されている神社には、伊勢神宮内宮・外宮やその別宮の他、多度大社、椿大神社など、今も三重県を代表する神社はもちろん、普段なかなか訪れる機会を得られない地域にも数多く点在し、走って巡れば、よりディープな三重を発見する事も可能です!

三重県内の延喜式内社について詳しくはこちら

この記事ではそんな式内社の中で、平安時代の頃、伊勢国員辨郡にあった式内社を紹介していきます。

伊勢国員辨郡ってどこ?

延喜式が編纂された平安時代には都道府県や市町村はなく、国・郡・里の三段階の行政組織に編成されていました。

現在の三重県は伊勢国、伊賀国、志摩国、紀伊国の一部と4つの国に分かれており、そのうち伊勢国は13の郡に分かれていました。

その13郡のうち、員辨郡は今のいなべ市全域と桑名市の一部が入ります。

延喜式内社・員辨郡十座マップ

延喜式内社・伊勢国員辨郡十座リスト

式内社 比定社
(同一・後裔とされる神社)
住所
鴨神社 鴨神社 いなべ市大安町丹生川上
石神社 石神社 いなべ市藤原町石川字垣内
平群神社 平群神社 桑名市大字志知
多奈閇神社 多奈閇神社 いなべ市北勢町田辺
多奈閇神社 員弁郡東員町大字中上
猪名部神社 猪名部神社 いなべ市藤原町長尾
猪名部神社 員弁郡東員町大字北大社
鳥取山田神社 鳥取山田神社 員弁郡東員町大字山田
鳥取神社 鳥取神社 いなべ市大安町門前
鳥取神社 員弁郡東員町大字鳥取
大谷神社 大谷神社 いなべ市員弁町大泉
賀毛神社 賀毛神社 いなべ市北勢町垣内
星川神社 星川神社 桑名市大字星川

伊勢国員辨郡の式内社比定社を巡るおすすめルート

梅林公園発着ルート

梅林公園→多奈門神社→猪名部神社→梅林公園 (距離の目安)15㎞

阿下喜温泉発着ルート

阿下喜温泉→石神社→賀毛神社→鴨神社→阿下喜神社 (距離の目安)10㎞

中部公園発着ルート

中部公園→猪名部神社→鳥取神社→大谷神社→鳥取神社→鳥取山田神社→中部公園 (距離の目安)12㎞

伊坂ダム発着ルート

伊坂ダム→星川神社→多奈門神社→平群神社→伊坂ダム (距離の目安)14.6㎞

延喜式内社についてもっと詳しく

平安時代中期に養老律令に対する施行細則として国がまとめた「延喜式」の「神名帳(じんみょうちょう)」という帳簿には、国が特に手厚く支援した神社2,861社(祭神の総数は3,132座)の名前が登録されていました。

この神名帳に名前が登録されている神社の事を「延喜式内社(えんぎしきないしゃ)」もしくは「式内社(しきないしゃ)」と呼びます。

式内社は今から1000年以上も前から朝廷から、公の神社として認識されていたという事もあり、それだけ古くから由緒ある神社であるという事ができます。

また式内社は「大社」と「小社」に区分されており、そのうち大社として記載されている神社は、今も三重県を代表する神社がほとんどです。

また現在、かつて延喜式神名帳に記載された神社と同一、後裔と推定される神社の事を「比定社(ひていしゃ)」・論社(ろんしゃ)と呼びます。

延喜式式内社は1000年以上も前に作られたものであるため、ほぼ確実と言われている比定社でも、絶対に後裔であるとは言い切れず、極めてその可能性が高いといった扱いであり、一つの式内社に対して後裔と見られる神社が複数になる事も多くあります。

 

投稿者プロフィール

らんしす 多田夏彦
合同会社ランシス代表社員。
合同会社ランシスは「ランウォーク」×「ツーリズム」×「WEB」を通じて、三重を走る、歩くモチベーションを創っていきます。
またランニングコミュニティ「セカンドウィンド四日市」の運営や、三重県ウオーキング協会事務局長として広報等を担っています。

個人ブログ | セカンドウィンド四日市サイト | 三重県ウオーキング協会サイト

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